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空間情報デザイン研究室 小林一郎
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2011.05.09   御船川目鑑橋 その3

▲世界に一つの地図 と 石材置場の看板
▲世界に一つの地図 と 石材置場の看板

 出発前にインターネットで石の保管場所を調べてみると、
 石橋が好きな人が場所を教えてくれました。

 しかし!
 あるページには「御船運動公園」。
 あるページには「町民グラウンド」。
 あれれ?と思い、町のホームページを検索するとどちらの名前も載っていない。

 仕方がないので、近くの商店街を尋ねることにしました。
 商店街を歩いていると、
 空いているのかどうか分からない雰囲気の酒屋さんが目に止まりました。

 店の前にはコカコーラの自動販売機、スズキの軽トラック。
 銀色のアルミサッシにガラスの扉。
 先生はどかどかと進んで行き、
 ガラガラと扉を開けた。
 続いて私たちも中へ入る。

 中は少し薄暗く、電気がついていない。
 カウンターの奥の棚にはかつて使われていたであろう陶器の酒樽。
 ワンカップ大関、白岳しろ。
 その隣になぜか掛時計、そして棚の下の段にはホワイトリカーとタカラ本みりん。
 確かに、お酒。酒屋さんです。

 お店の人がいないので空いてないのかなと思ったら、
 奥から白髪の、少し痩せているおじいちゃんが出てきました。

 早速尋ねてみる。
 「すみません。あのー、御船川の目鑑橋の石を探しているんですが。
  昔、川原に置いてあったでしょ?」
 「あぁ、ありました。」
 「町民グラウンドにあるって聞いたんですが、どこか分かりますか?」
 「そういえば、あったねー。」
 と、おじいちゃんは鉛筆を手に取り、
 A6サイズ程度に切った裏紙に地図を描き始めた。

 「そこ、曲がった所に歯医者さんがあったでしょ。
  あれを左に曲がって、真っ直ぐいったら、信号が二つあったと思うんやけど。。。」
 そこまで書いたら紙から地図がはみ出した。
 無理矢理、続きを書こうとする、おじいちゃん。(一同、苦笑。)

 おじいちゃんはもう一枚の紙を取り出す。
 「あの、今いる場所はどこですか?」
 「今はこの辺と思うんじゃけど。。。」
 「え?!」
 「そして、華ほたるという温泉があるから、そこをずっと上がって行って。。。」

 また紙から地図がはみ出し始めた。さらに、もう一枚追加。
 「ここを曲がって、その次はここを曲がって、この前の道には入ったらだめ。」

 おじいちゃんはきっと、頭の中で運転しながら地図を描いているから、
 いつのまにか3枚に及ぶ超大作ができあがった。
 4人しか共有できないたった一つの地図のできあがり。

 親切にしていただいたお礼をおじいちゃんに言って、
 石が保管されている場所へと出発しました。
 実際、行ってみると、信号といい、
 曲がり具合といい、実に正確な地図に驚く私たち。

 そして、そこには看板がありました。
 その名も「目鑑橋石材置場」!

 (その4につづく)

from おかだ さちこ 

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